10月4日 勉強会
Maura Reillyによる2018年に出版されたばかりの『Curatorial Activism』という本とりあげ、テクスト部分をその場で翻訳しながら読みました。
ジェンダー、人種、セクシャリティのテーマで編まれた大きな展示を時系列にまとめている良書です。
同書の主張は「キュレーターは、白人男性中心史観から離れたさまざまな表現に誰もがアクセスできるようにする責任があり、そのためのアクションが必要だ!」というところに終始しており、とても共感しました。
こういった海外の専門書はシンプルな構成で、イントロと各章の一段落を読めばなんとなく概要はわかります。
詳しく読みたいところはまた精読していくと楽しい気がします。
ちなみに、著者のモーラ・ライリーは2007年に「Glabal Feminism」というエポックメイキングな展覧会を手がけたキュレーター、研究者です。この展覧会では日本の作家もとりあげており、笠原美智子が日本作家のキュレーションを行っています。このころから、白人男性主義史観に対するカウンターとして、世界中のマイノリティや女性作家などをを取り上げることがキュレーターにとって重要になってきました。そのような美術の潮流を知ることも重要です。上記の「Glabal Feminism」や2007年の「WACK!」など、海外の主要な展覧会についての読書会もまた実施予定です。国際世論についても配慮しながら、表現について考えていきたいところです。