ジェンダーや表現にまつわる対話の場を持つCafeシリーズの第二弾を開催しました。
♯2「浴場から見るジェンダー」:テーマを設定した個別リサーチを基にしたトーク
開催日時:2019年1月26日 14:00~18:00
会場:よりみちベース
富士山といえば銭湯。銭湯や浴場は、江戸時代から現代まで、男女の裸体を描く一つの口実として機能してきた側面があります。特に、浴場にいる女は、様々な欲望を孕んだ視線にさらされてきました。今回のトークイベントでは、発表者がそれぞれの関心を元に日本の風呂文化、女、そしてジェンダー等幅広いトピックを掘り下げることを目的にカフェを開催しました。
後半は最近のジェンダーにまつわる表現で参加者が気になったものなどについて、自由にディスカッションしました。終了後は希望者の方と交流会も開催予定しました。
(スタートバーン株式会社主催による展覧会『富士山展2.0』へ参加し、富士山から発想を得たイベントを開催。『富士山展2.0』とは、アートとブロックチェーンを融合させた新サービス「startbahn.org」を活用する。)
▼発表タイトル
ゲスト:吉良智子氏(キーノートスピーチ)
発表:
熊谷薫(事業評価・アーカイブ・コーディネーター/アートマネージャー)
「湯女図から千と千尋へ」
海老澤彩
「女が描く裸体」
ユミソン(アーティスト/キュレーター)
「肉体と視線 」
▼ディスカッション
このイベントにはアーティスト、ビジネスマン向け講座プロデューサー、文化関係者、女性向けプロダクト企業社員、学生など多岐に渡る参加者が参加してくれました。
今回のイベントはここの関心によった、プライベートな研究発表だったため、今後ジェンダーの問題について、社会人が学ぶためにどのような講座が必要なのかという質問がでました。確かに、この手の講座は関心の高い層ばかりが集まるために、内容がマニアックになり、誰でも参加しやすいものではないかもしれません。今後は、より開かれた場の設計も必要だと感じました。
また、参加者からの生活で感じた女性ゆえに、不利な状況に立たされた出来事が紹介されましたが、なかなか男性参加者からは共感が得づらいということもありました。特に、日常的に差別的な状況があることは、立場が違うと感じづらいかもしれません。♯me too運動などの高まりの中で、日常的な違和感や性差別についてなど、まずは声をあげ共有することが重要視されていますが、まだその意味が理解されてもいないようです。こうした状況のなかで、それぞれの固有の体験をいかに共有し、性差別的状況やその被害に気づくことができるようにするかがとても重要だと感じられました。
レクチャーとディスカッションは必ずしも連動しなくとも、活発な議論が起きるようです。もっと、表現や日常生活について、ジェンダーの問題やフェミニズムについて知識のない人も参加しやすい場を設定したいと考えています。